おくとすくえあ業務日誌

おくとすくえあ代表が綴るIT関係メモ。たまにIT以外のネタもメモします。お仕事依頼はhttp://www.octsquare.net/へ。

人を殺すのは銃じゃなく人である

3Dプリンタを使って殺傷能力のある銃を作った人が逮捕というニュースが流れております。

……容疑者のTwitterを読むと、どうも「全員が武器を持てば、弱い女子供が武器を持てば男にも勝てる!だから世界が平等に平和になる!」主義者のようで、そのパフォーマンスのためにつくったのかなあという気がしております。その主張がいいとは思わないんだけどねえ。

(さっきTVみてたら、「日本において拳銃をもてないのは基本的人権の侵害だ」とか供述してるそうな…だめだこりゃ)

それはともかく。

これにより「3Dプリンタ危険!」という意見がマスコミから出るのは予想の範囲内ではあるけれども、さすがにどうなのと思います。
実際、3Dプリンタを貸したり売ったりしてるお店に「拳銃作りたい人続出で困ってます」という言質を取ろうとしつこく迫ってるマスコミが居るそうな。

確かに作ることは可能なんですが、そもそも今の3Dプリンタ(色々種類があるが)で作れるものって、強度が足りなかったりするのよね。実際拳銃を作ると撃った瞬間に破損するのよね。つまり、どういうことかというと、3Dプリンタ以外で創ったものも組み込んでいるのよね(容疑者宅からは普通の旋盤やフライス機なども押収されたようで、しかもモデルガンも山ほどあったそうで、3Dプリンタ使わなくても設計図さえあれば作れる設備があったそうな)。

3Dプリンタは確かに便利ですし、一般人でも買えそうなレベルまで価格は下がってきています。とはいえ、おもちゃを作るレベルでも30万くらいはするし(報道であった6万円の3Dプリンタは、海外製の「自分で組み立てて作る」3Dプリンタではないかと思われます。あれでそこまでの強度は出ないはずだけどなあ)、実用強度や安全性などを考えると、普通の家庭で買えるシロモノとはまだ思えない。ついでにいうと、3Dプリンタは設計図通りに作るだけの仕組みしかなく、その設計図(3DCADデータ)を作る技術が別途必要で。今後はどうかわからないけど、今すぐに増えるとは思えないんだけどなあと。

……とはいえ、未来はわからないですけどね。

 

危険じゃない爆薬を作りけが人を減らそう!と思ってダイナマイトを発明したノーベルは、その後それらが兵器に転用されたことで「殺害機器を作った死の商人」と呼ばれるようになり、ゆえにダイナマイトその他で得た富で財団を作り科学者を称えるノーベル賞を作った。

3Dプリンタもそういう武器を作る目的だったんじゃないんだよね。ただ、それを悪用してしまった人間が居ることで、「武器製造機」とか見出しに乗るようになるのかなあとぼんやり考えるにつけ、人を殺すのと、人を殺す平気を作るのは、道具じゃなくて人間だよなあと思うのです。

それが人間の負の性なのかもしれないなあと書くと、非常に残念さしか残らないんですよね。

 

 

……個人的には3Dプリンタほしいんですけどね。いや、武器とか作るんじゃなくて、面白いアイテム開発するのに便利だなーと思うので。